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― “終わらない後見”から“必要なときだけ使う後見”へ ―**
成年後見制度は、認知症や知的障害などで判断が難しくなった人を支えるための仕組みです。 しかし、制度が始まって25年以上が経ち、実際の運用の中でいくつもの課題が明らかになってきました。
令和8年の民法改正は、こうした課題を根本から見直す「大改革」です。 一般の方にも関係する内容なので、ポイントをわかりやすく解説します。
これまでの成年後見制度には、次のような問題がありました。
判断能力が回復しない限り、制度を終了できないケースが多く、 「後見人がずっとついたまま」という状況が続きがちでした。
後見人が本人の財産管理や契約を幅広く代わりに行うため、 本人の自由や選択が制限される場面がありました。
制度開始や権限の内容が、本人の希望とは異なる形で決まることもありました。
本人の状況が変わっても、後見人の交代が難しいケースがありました。
こうした問題を解消するために、制度の仕組みそのものが見直されました。
今回の改正の最大の特徴は、 制度の出発点が“本人の意思”になることです。
これまでは「保護」が優先されがちでしたが、改正後は、
を丁寧に確認し、必要な範囲だけ支援する仕組みに変わります。
本人が同意できる場合は、制度開始にも権限付与にも同意が必要になります。 本人が明確に拒否している場合は、制度を開始できません。
これまでの制度は複雑でした。 後見・保佐・補助という3つの類型があり、それぞれ権限の範囲が違いました。
改正後は、これらがすべて「補助」という一つの制度に統一されます。
「包括的代理権(全部の財産を代理できる権限)」は廃止されます。 必要な行為だけ、必要な期間だけ、裁判所が個別に決める方式になります。
たとえば、
改正の大きなポイントが、 必要性がなくなれば制度を終了できるようになることです。
判断能力が回復しなくても、 本人の生活環境や支援体制が整えば、制度を終えることができます。
これまでの「終わらない後見」から大きく変わる点です。
新しく「特定補助人」という制度が導入されます。 これは、旧制度の「成年後見人」に近い役割を持つ人ですが、 利用できるのは非常に限定的です。
一般の方が利用する場面は多くありません。 「最後の手段」として使われるイメージです。
成年後見制度だけで本人を支えるのではなく、 地域の福祉サービスや家族、支援者と連携して支える方向に変わります。
制度は「本人の生活を中心にした支援の一部」として位置づけられます。
今回の改正は、本人の権利を守るための大きな一歩です。
成年後見制度は、 「一度使ったら終わらない制度」から 「必要なときに必要な範囲だけ使う制度」へと生まれ変わります。
当事務所では、成年後見・保佐・補助(改正後は補助制度)に関する申立てを多数取り扱ってきました。 後見人・補助人としての受任経験も豊富で、医療・介護・福祉との連携にも慣れています。
制度改正で選択肢が広がる今こそ、専門家のサポートが役立ちます。 お気軽にご相談いただければ、最適な方法をご提案します。