お電話でのお問い合わせ06-6206-6166

賃貸不動産を所有していた人が亡くなった場合、その死亡後に発生する賃料収入は「誰に帰属するのか」「どのように分配・申告すべきか」という点で、相続人間のトラブルになりやすいテーマです。
本コラムでは、被相続人死亡後の賃料収入について、民法上の考え方と実務上の注意点を整理します。
相続は、被相続人の死亡の時点で開始します(民法882条)。
この時点で、被相続人が有していた権利義務の一切(専属的なものを除く)が相続人に承継されます。
賃料は、賃貸借契約に基づき期間の経過に応じて発生する債権です。
そのため、
とで、法的な帰属が異なります。
被相続人の死亡前に既に発生していた賃料債権(未収賃料を含む)は、
👉 相続財産そのものとして、相続人全員に承継されます。
この場合、賃料債権は遺産分割の対象となり、
といった処理が行われます。
被相続人死亡後に発生する賃料は、**遺産そのものではなく「遺産から生じる果実」**と位置付けられます。
最高裁判例は、被相続人死亡後から遺産分割がなされるまでに生じた賃料について、
と判示しています。
そのため、
👉 死亡後の賃料は、法定相続分に応じて相続人全員に帰属
するのが原則です。
遺産分割が成立すると、その効果は相続開始時に遡るとされています(民法909条)。
もっとも、賃料については実務上、
と区別して処理されるのが一般的です。
相続開始後、管理をしている相続人が賃料を一旦すべて受け取るケースは少なくありません。
この場合でも、その賃料は個人のものではなく、
とされます。
賃料収入から支払った
などについては、相続人全員の負担として、賃料精算時に控除するのが合理的です。
死亡後の賃料は、
👉 各相続人の不動産所得
として、それぞれが確定申告を行う必要があります。
※代表相続人がまとめて申告することはできません。
と整理されます。
これらを徹底することで、無用な紛争を防ぐことができます。
被相続人死亡後の賃料収入は、
「不動産を誰が相続するか」とは別の次元の問題として扱われます。
法的な原則を正しく理解せずに処理を進めると、後から大きな対立を招きかねません。
相続人間で賃貸不動産が関係する場合には、早い段階で専門家に相談し、
法的・税務的に整合した処理を行うことが重要です。